林けいこの老いの住まい
在宅介護を視点においたアドバイスや情報をお届けしています。
第12回
在宅介護に向く人、向かない人

 私のセミナーのテーマに「あなたは施設派?在宅派?」というのがあります。

60歳ぐらいになったら、自分はこのまま自宅で老いを迎えることができるだろうか、それとも有料老人ホームなどに住み替えたほうがいいのかを、おとしよりご自身に考えていただくことがテーマです。
そのセミナーの、在宅でいけるか、施設に住み替えたほうがいいのかを判定するプログラムが『はいから』秋号(発行元:アーデント・ウィッシュ・定価500円)で紹介されました。「はいから高齢者住宅レポート」というそのページは見開き2ページのあっさりしたものですが、読者の方から質問をいただきました。
自分のことはよく分からない、将来の老いに備えて、どんな対策を立てたらいいのか、それを知りたいということでした。
「明るい介護ネット」では、主に介護に携わる方を対象にコラムを書いていますが、今回は、ちょっと対象を広げて、お年よりご自身の判断の参考にもなるように、自宅介護を選択する場合の考え方を書いてみます。
一人一人の老後の問題を考える時は慎重でなければなりませんが、自分自身を知っていただくために今回はすこし乱暴ですが、細かいことは省いて書きます。それぞれのご質問はトップページの「E-mailはこちらへ」からどうぞ。

まず検討していただきたいのが、世帯構成です
一人暮らしか、夫婦二人暮しか。子供はいるのか。
現在は一人暮らしでも、病気や入院、介護が必要になったとき世話をしてくれる子供さんなどがいれば、必要に応じて入院したり、通いのヘルパーさんを雇ったり、通所施設などを利用するなどで在宅介護をしていくことは不可能ではありません。
逆にいえば、お世話してくれるひとがいない方は、在宅介護には向かないということです。
体の状態に合わせて、どこかの時点で介護施設に住み替えることを考えたほうがいい。

次に考えることは介護してくれる人の年齢や人間関係です
介護は想像以上に体力も精神力もいります。
介護する人が高齢で、体力的にもたない場合は、ヘルパーさんを雇うことで対応できます。が介護保険の自己負担分以上に費用がかさむことは知っておかなければなりません。
子供さんがいても、同居していない場合、フルタイムで家政婦さんやヘルパーさんに来てもらうことも考えて、予算対策をしておかなければなりません。
そうした経済的な余裕があるかどうかも大事なチェックポイントです。

介護してくれる人との、それまで関わり方も考えてみてください
子供がいたとしても、親子関係がうまくいっていなかったり、相性が悪い場合は、施設介護を選ぶことをお勧めします。
介護には、それまでの人間関係の全てが影響してきます。
ご夫婦でも、仲がよくなかったら、プロの介護者を利用することを考えておいたほうがいいでしょう。

住宅が、高齢期も安全に住めるものか、体の状態に合わせて改装できるのかを考えます。エレベーターのない集合住宅の上階に住んでいるのであれば、やはり介護施設への住み替えを考えたほうがいいです。

以上のことを考えあわせて、在宅介護を選ぶ場合、かならずご家族や関係者と話し合ってください。
その時、実際に介護に携わるのが、息子さんの奥さんであれば、必ず話し合いの場に出てもらって、彼女自身はどう考えているのか、本人の口から述べてもらうことが大事です。

最期まで自宅に住みつづけることを考えて自宅介護を選んだら―――
かかりつけのホームドクターを決める。
住宅を、必要に応じて安全に暮らせるようにリフォームしたり、
体の状態によっては、介護しやすくリフォームする。
居住市町村に、どんなサービスや介護施設があるかを調べておく。
介護する人の負担が過重になった場合の対策を考えておく。
自分自身の経済状態も把握しておく。

などなどを頭の隅におきながら、
最期まで自宅に住みつづけていくには、
毎日を楽しむ知恵が必要です。
趣味を楽しみ、食事や家事、お風呂などを楽しむ。
同居者や、介護をする人も
楽しく暮らせるように、
心の用い方や
お金の使い方を
工夫することが大切です。


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