林けいこの老いの住まい
在宅介護を視点においたアドバイスや情報をお届けしています。
第17回
気持ちよく梅雨の季節を乗り切りましょう
6月といえば、梅雨。雨が続くと、洗濯物はカラッと乾かない。散歩へも行けない。窓も締め切りがちで、室内の空気がよどみがち。自宅で介護をされているご家庭にとって、梅雨はけっして嬉しい季節ではありません。
しかし雨の日は、騒音が抑えられて心静かな時間がもてるよさもあります。わずかの晴れ間だから、かえって貴重さが実感できるということもあります。
知恵を働かせて、介護するほうも、介護される方も、気持ちよく梅雨の季節を乗り切りましょう。
まず一番大切なのは、雨の日だからといってダラダラと過ごさないことです。寝かせたままにしないことです。

朝、起床の時間になったらとにかくベッドから体を起こしましょう。洗面、歯磨きが済んだら着替えをします。
雨の日は外に出ないからと着替えもせず過ごすのは止めましょう。寝巻きのままでいると、心も体も目覚めません。
むしろ女性の方ならお化粧やおしゃれをするほうが、体も気持ちもしゃきっと目覚めて、やる気がでてきます。
今日も「体を動かそう」、「しっかり食べよう」、「トイレも自分で行こう」そんな気持ちになってもらうことが大切です。

そのためには、朝起こすときの言葉掛が大切です。
元気な声で「今日は一日雨だから、運動不足にならないようしっかり体を動かそうね」などと言葉をかけます。

雨の日は運動量が少なくなりがちです。日常生活をひと工夫して運動量を増やしましょう。
着替えは、工夫すれば運動になります。体の状態にもよりますが、もし片足立ちができるようなら、すこし長めに片足立ちをすれば「フラミンゴ体操」になります。今日は何秒できたとタイムを記帳しておきます。すこしずつでも片足立ちの時間が延びれば、食事のときなど家族が集まる場で話題にします。明るい話題を増増えれば、介護も張り合いがでます。

トイレ、家の中の移動も、なるべく自力でしてもらいます。運動をするという意識で、いつもよりほんの少し体に負荷がかかるぐらいでもいいと思います。
できる方は、階段を1段、上下の足踏み運動もいいでしょう。階段には手すりが設けられているところが多いので、その手すりをつかまえて行ってください。
そのとき、転倒のおそれがある人や、骨粗しょう症の方は、転倒時の衝撃を和らげるために「ヒッププロテクター」などをしておいたほうがいいでしょう。やはりいちばん怖いのは大腿骨頚部骨折ですから。「ヒッププロテクター」または「大腿骨頚部骨折予防プロテクター」の名前で介護用品のお店で売っています。インターネットでも購入できます。
デイサービスなどは屋内運動を工夫しているようです。積極的に利用したらいいですね。
歩いて散歩などをなさっていた方は、近くに百貨店やスーパーがあれば、運動のために出かけるのも気分が変わって楽しめます。階段は利用者が少なく、手すりも付いているので階段を上がっていきます。下りはエレベーターを利用します。この場合、洋式トイレ、あるいは車椅子用トイレがあるかどうかは確かめておきましょう。携帯用トイレも念のために持参しておいてもいいでしょう。

ニオイも雨の日の困ったことの一つですね。

朝、目覚めたときに、熱く絞ったタオルで包み込むように温めた後、指の間を丁寧に拭いていきます。毎日お風呂に入っている方でも意外に指の間は洗われていないものです。

歯磨きもいつもより丁寧に行いましょう。歯科医に往診していただいて歯垢除去をしていただくと、口臭がずっと軽減されます。同時に歯の病気などもチェックしていただきます。

スリッパや靴、手すりなどをアルコール除菌すると、手触りもさらっとしてすっきりします。

多くの行政は布団乾燥サービスを行っています。年間5回とかの回数制限がありますので、利用してください。お布団のニオイがずいぶん取れて戻ってきます。

介護の部屋を閉め切らず、風の通る道をつくります。
また室内に香りのいい花を飾ったり、ヒノキやローズウッドなどのエッセンシャルオイルで香りを楽しんだりしてはいかがでしょう。炭などをおいて置くと、ニオイと湿気の両方を吸い取ってくれます。

介護している方は、ニオイを消すことだけに留意するのではなく、これがその方のニオイであることを受け入れる心の持ち方も大切です。

悔いの残らない介護を続けるためには、介護するほうも気持ちよく、楽しくできるよう工夫が必要です。
今回の介護のヒントはお役に立ちましたでしょうか。

 


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