林けいこの老いの住まい
在宅介護を視点においたアドバイスや情報をお届けしています。
第1回
介護について気軽に話せる環境をつくっておこう
親はいつまでも元気でいてほしい。とは思っても、いつか必ず老いがやって来ます。
ある日突然か、ゆっくりか、それは誰にも分かりません。
今回は、介護が発生する前の、対策の立て方をお話ししましょう。
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介護が発生する前に、夫婦や親子の間で、お互いの事情や希望が分かり合えていると、いざというとき対策が立てやすいです。
どんな介護や治療を望んでいるか。気軽に話せる環境を熟成するよう工夫してください。特に同居していない親子の場合は、強いてそうした話題にふれる機会を設けるよう工夫してください。
こうした話はあまり日本人には馴染まないものです。したがって自然に切り出すというのは無理でしょう。
親の方から「今日は聞いて欲しいことがある」と話し出すのもいいでしょう。そして最近の体の変化や気になること、痴呆症になった場合や、急に病気になった場合など、自分はどこで、誰に介護して欲しいか、話してみてください。
子供さんたちも、すぐに答えは出せないと思います。
親がどんなことを心配しているか、聞いておくだけでいいのです。
子供の方から、「介護が必要になったらどうして欲しいの」と切り出すのでもいいでしょう。
誰かが口火を切らないことには、お互いに理解しあうことはできません。
本人の希望を知っておけば、将来、任意後見制度(※1)を利用する時にも役に立ちます。
一年に一度、お正月に集まった時や、お誕生日などを利用して話してはいかがでしょう。
関係する人全員が集まる場で話すことが大事です。
それぞれ一人づつ、別々の場で話すというのは、最初はなるべく避けたほうがいい。誤解を生む元になりかねません。
一度、切り出しておけば、その後は話がしやすくなります。
考えは体力の衰えと共に変化するということを、どちらも了解しあったうえで、折にふれて、軽い気持ちで話ができる環境をつくっておくことが大事です。

(※1)任意後見制度とは、「高齢化社会への対応」と「知的障害者の福祉充実」の観点から、これまでの民法の行為無能力制度(禁治産・準禁治産)を見直し、利用しやすい制度に改定された成年後見制度の一つ。自分の判断能力低下後の後見事務を、判断能力があるうちに本人が任意代理人に委託する制度です。「任意後見契約に関する法律」で規定されます。平成12年4月より施行。

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