林けいこの老いの住まい
在宅介護を視点においたアドバイスや情報をお届けしています。
第23回
お年寄りの人権、財産を守るには(1)
「成年後見制度をご存知ですか?」とたずねて、「よく知っています」というお返事をいただいたことがありません。

成年後見制度とは、以前からあった後見制度が使いやすく改良され、公的介護保険施行と同時に、2000年からスタートした制度です。
認知症など判断能力が衰えたお年寄りの権利や財産を守る制度として有効な制度で、公的介護保険制度と成年後見制度は、老後を支える両輪の車にたとえられるほど大切な制度なのです。

が冒頭の質問にもあるように、まだあまり知られておらず、したがって利用も進んでいないのが日本の現状です。
同制度の先進の国であるドイツにくらべてあまりにも利用が低い状態です。 それでお年寄りの人権や財産がきちんと守られていればいいのですが、近年、お年寄りの人権や財産が侵食されるという問題が増加しており、判断力の衰えたお年寄りを狙う悪徳業者による深刻な被害が相次いでいます。

そうした現状を打開する方法として、もっと成年後見制度をつかいやすくするために、東京都は市民後見人の養成をはじめました。財団法人シニアルネサンス財団の後援により全国的に「成年後見アドバイザー養成講座」も開催されています。ほかにも市民後見人の養成講座なども開催されています。

私も、今年(2006年)3月19日・26日の2日間「成年後見アドバイザー養成講座」を呉竹文化センター(京都市伏見区)で開催しました。受講生29名。実際に後見人として活動されているリーガル京都(京都司法書士会)、ぱあとなあ京都(京都社会福祉士会)の先生方にお越しいただき、成年後見制度について学習しました。また成年後見制度の利用に欠かせない認知症の認定について知るために、京都大学大学院医学研究科 加齢医学(老年内科)の先生にお越しいただきました。

ひとくちで言って、成年後見制度とは、素人が一回ぐらいの学習でひとに説明できるほど分かりやすい制度ではありません。

成年後見制度についてひとに説明できる人を養成するためにその後も引き続きフォローアップ学習会をつづけています。
4月9日(日曜日)、6月4日(日曜日)と勉強会を重ねています。 目標は、次回の同養成講座で、成年後見アドバイザーによる成年後見制度の講座を持てるようにしたいということです。

学習の中で特に興味深かったのは、武地 一先生(京都大学大学院医学研究科 加齢医学(老年内科))による「認知症について」(2日目:講義6)。
「なぜお年よりは悪徳業者にだまされるのか」という質問に対する見解は次回またくわしく報告します。

写真説明:内藤健三郎先生によるケーススタディ(講義8)「Aさんには、以前から(判断力がしっかりしていた)時から付き合っていた女性がおり、最近になってその人と「結婚したい」と言いはじめた…」といった問題を、テーブルごとに討議して意見をまとめて発表する。自分が発表者に当たるかもしれないと、それぞれの意見をだしあい真剣な面持ちで受講生の方が討議していました。身内に後見が必要な人がいるからなど行政書士、ケアマネージャー、民生委員、社会福祉協議会の相談員をされている方など、年齢も、経歴も異なる受講生のかたがたが、お互いの意見に耳を傾け、また自分の意見も述べ納得のいく結論にまとめるので、討議が活発に盛り上がりました。


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