林けいこの老いの住まい
在宅介護を視点においたアドバイスや情報をお届けしています。
第2回
家の中のお片付けから、介護の話を始めてはどうでしょう
親の介護について事前に話し合えと言われても、本人がまだピンピンしている時では、何が問題なのか分からない、とおっしゃる方が多いのではないでしょう。
何が問題なのか、子供が同居していない場合として、在宅で老いを迎える場合の問題点をお話しましょう。
まず第一は体の問題です。
電話を掛けても、つながらない。調べると、また旅行に出かけていた。といった元気な方も、70歳を過ぎた頃から、旅行や食べ歩きの回数が減ってくる方が多いようです。
体力の衰えと同時に、脚の力が弱くなり、バランスが悪くなります。タタミのヘリにつまずくと言われます。若いときは、そんなバカな、と思ったものですが、脚の筋肉や股関節の潤滑性が衰えると、本当に小さな障害にもつまずきやすくなります。
最近、つまずいたことはないか聞いてみてください。
1箇所や2箇所は、答えが返ってくるはずです。つまずいたことがあるというのは、かなり脚の筋肉が衰えている証拠です。
話を聞きながら、メモをしてください。
同時に、家の中をぐるりと見回してください。
台所から食堂、リビング、寝室、トイレ、洗面室、浴室、出入り口、階段、2階の踊り場、バルコニーや物干しへ目をやります。床を見てください。動線上に、つまずきの原因となる障害物はないかチェックします。
床には、積まれた空き箱、電話やスタンドのコード、カーペットの端のめくれ、植木鉢、敷居の段差、いろんな物が見えるのではないでしょうか。掃除機を掛けると、障害物がよく分かります。それをメモしてください。
メモを見ながら、不要の物かどうか、話を聞いてみる。使わなくなった物は、若い世代にあげる。フリーマーケットに出すのも面白いです。とにかく、床をすっきり片付けることから始めます。
動線上にコードが這う場合は、つまずいたらコンセントのほうが外れるタイプに換えると安全です。
玄関や勝手口の上がり框、浴室の入口や浴槽のそば、トイレには手すりがあると、体のバランスを補助してくれます。場所と目的によって、効果的な手すりの形状や、大きさがあります。ATCエイジレスセンターで「手すりの本」が出されていました(現在もあるかどうか、関心のある方は問い合わせてください)。また最近の分譲住宅や、高齢者対応のマンションのモデルルームを見学に行くという方法もあります。
既存の日本家屋を本格的にバリアフリー化するのはかなり大工事です。それよりまず簡単にできることから始めましょう。
次回は、片付けをきっかけに、将来の介護についてスムーズに話す方法をお話しします。

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