林けいこの老いの住まい
在宅介護を視点においたアドバイスや情報をお届けしています。
第4回
在宅介護のパートナー、医師と老人保健施設を上手に使おう
脳出血などで倒れ、急に介護が始まる場合。体力が衰えることにより徐々に、家事援助から介護へと変化していく場合。色々な介護の始まり方があります。それによって対策も変わってきます。
在宅で介護をする場合、まず考えておかなければならない大事なことが3つあります。
第1は、事態を正確につかんで、将来の変化に備える。
第2は、介護は複数の人が関わるように対策する。
第3は、資金力を見極める。
ほかにもまだ色々ありますが、とりあえず第1から説明していきましょう。
例えば、脳出血で緊急入院した場合。病状が落着いて、治療の必要がなくなれば退院の運びとないますね。手足のマヒや言語障害などの後遺症があれば、病院でリハビリ(機能回復訓練)をしていたと思います。手すり伝いに自力で歩行できるまでに回復していたとすれば、この病院で回復した身体機能を、家に帰って来たとき、そのまま維持できるように、自宅の住環境整えること。寝室をトイレの近くに移したり、手すりをつけたり、人によって介護リフォームの内容は変わるでしょうが。高齢者の機能回復は途中、中断すると衰えるが急なのです。
自宅に、玄関やトイレ、浴室などに手すりを付けていたからといって、健康なときの補助具がそのまま使えるとはかぎりません。退院が近づいたら、外出許可を取って何度か家に帰り、本人の残存機能でどこまで使えるか自宅で検証しておきます。
指先がマヒして手すりは握れなくても、腕全体を手すりに乗せれば身体を支えて自力で歩ける場合もあります。残っている機能で使える補助具を見つければ、自立生活の可能性が大きくなります。
補助具の研究はかなり進んでおり、色々発売されています。
そうした補助具を見つけ、介護リフォームの相談もできる施設が老人保健施設です。病院などが運営しているところもあり、名前をご存知の方も多いでしょう。病院と自宅の間にあって、機能回復訓練などを主に行う施設です。介護用品なども置いており、在宅介護をするためのリフォームの相談にのったり、補助具を試用したりできるところもあります。入院施設も備えているので、ショートステイなどを利用して、自宅のリフォームが済むまで、そこでリハビリを継続することもできます。お住まいの市町村の老人保健施設は「明るい介護ネット」で簡単に検索できます。
病院から、自宅へすぐに帰宅して、介護認定を申請する場合、どうしても介護リフォームが遅れて、せっかく回復した機能が再び失われることが多いようです。
在宅でリハビリや、介護リフォームをする場合、かかりつけの医師に相談しながら、退院と介護認定と介護リフォームを同時進行させる工夫が必要です。その時、病変の特性や将来の変化などについても聞いておきましょう。専門家である医師にとっては分かりきったことなので、説明を省くこともあります。が素人であることに臆せず、分かるまで説明してもらいましょう。
かかりつけの医師は、介護認定なども行う在宅介護のパートナー。病状について分かりやすく説明でき、患者の意思も尊重する。気軽に往診もしてくれる(在宅診療も行ってくれればなおいい)。そんな良心的な医師を見つけ、信頼の絆を結ぶ付き合いをしておけば、在宅介護で頼りになります。
機能回復について:本人がさらに本格的な機能回復を望む場合は、リハビリを専門的とする病院を利用するほうがいいと思います。
参考図書:リハビリは辛く、避けがちな方が多い中で、78歳で病に倒れた社会学者で評論家の鶴見和子さんが、会田記念病院と出会ったリハビリの記録(回生を生きる/三輪書店)は、病院の見つけ方、気持ちの持ち方でも参考になります。
次回は介護者のチームワークの進め方についてお話します。

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