ケイズ・カラープランニングKURODA(くろだ)です。 色彩計画コンサルタントの立場から高齢者施設の考え方についてコメントしていきたいと思います。色彩の持つ多くの効用をうまく活用していただき、安全で快適な空間づくりにお役立て下さい。 また、心理的に与える影響についてもご紹介していきます。 お楽しみに。
【プロフィールはこちら】
前回に引き続き、高齢者の視覚機能についての話になります。
まず、加齢によってどのような現象がおきるのかを簡単に知っていただきました。 視覚機能の低下としては、1.水晶体の白濁と黄変化 2.縮瞳化 3.グレアの増大があります。1.2.については前回にご紹介しました。今月は3.の現象についてお話します。
前回は、縮瞳化により20代にくらべて3倍の明るさが必要だとお話しました。
年代別必要照度の倍率(図A)
60歳の人に必要な照度は20歳の約3倍である
ところが、明るくすればそれでよいのかというわけにもいかないのが、3番目の現象であるグレアの増大が問題になります。
高齢者の水晶体には白濁と黄変化だけではなく小さな傷のようなものも増えてきます。たとえば、車のフロントガラスがよごれている場合など対向車のライトが非常にまぶしく感じて目が見えなくなる瞬間を感じたことはないですか? そのような現象と同じで強いグレア(まぶしさ)を感じる可能性もあるのです。そのことによるストレスも考慮にいれる必要があります。
照明いわゆる光源の種類には大きくわけると蛍光灯と白熱灯があります。グレアの防止、色の違いのわかりやすさなどを考えると白熱灯のあかりがよいとされています。
しかし戦後長い間、蛍光灯のあかりになれ親しんだ日本の高齢者にとっては白熱灯は暗く感じるようです。日本の高齢者は8割近くが蛍光灯を好むという調査もあります。消費電力のこと、ランプの寿命のこともメンテナンスを考えるとさまざまな問題が出てきます。 ここに照明環境の配慮の難しさがあります。
以上につきましてご質問、ご相談のある方はお尋ね下さい。
次回はもう少し詳しく 照明に関してのお話をしましょう。
情報ご提供先 ホームページ
福岡市在住。 1990年、『K's Color Planning』を創設。 建物の内装外観、商品企画、店舗・企業の販売促進イベントなどの色彩 戦略に関するコンサルテーションを行う。 表現学校エコール・ド・メチエ福岡校(ケイズ・カラープランニング内)の企画、運営を行い、講師もつとめる。 色を効果的に活用した住みやすい環境づくりを推進するなど、色の持つ不思議な力を深く追求している。