カラーコミュニケーション
NO.2 高齢者の視覚について  バックナンバー

 
 

ケイズ・カラープランニングKURODA(くろだ)です。

色彩計画コンサルタントの立場から高齢者施設の考え方についてコメントしていきたいと思います。色彩 の持つ多くの効用をうまく活用していただき、安全で快適な空間づくりにお役立て下さい。
また、心理的に与える影響についてもご紹介していきます。

お楽しみに。 
 

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  では、「高齢者の視覚」について考えてみたいと思います。高齢者はどのように見えて感じているのでしょう。 <図B>で人間の目の仕組みをカメラに例えてみました。
まず、この目の組織のなかでレンズの役割をする水晶体についてみてみます。加齢とともに水晶体は白濁と黄変化をともなうようになります。これは正常な老化現象で『老人性白内障』と呼ばれます。白内障化の原因はクリステリアンというタンパク質が長年の間に紫外線にあたりアミノ酸に分解して黄色っぽい色素に変化していくためです。その状態になるとどのような見え方をするかは<図C>を参考にしてください。
 
 

 

人の眼とカメラの構造(図B)

図B

 

黄変化シミュレーションによる色の変化(図C)

図C

 

 
  結果として、赤系の色にはあまり変化はありませんが、青・緑系が黒っぽく感じるようになります。さらに黄色は白として認識されるようになります。
したがって、白地に黄色は見分けがつきません。白っぽい廊下の黄色の動線ラインや白い壁に黄色の強調も役に立たないことになります。また、青色も下地が黒の場合、見えにくくなります。

トイレ表示の例を<図D>に紹介しましょう。その他、緑と白の組み合わせの非常口サインなどは、緑が黒っぽくなりますが特にみえやすさに支障はないようです。
このように今後一般的な色彩計画にも高齢者の見えを考慮に入れることが必要でしょう。高齢者施設であればなおのこと、サイン計画を含め調整が必要です。

ある程度の高齢化シミュレーション(70歳代後半)として、プラステートの33番(オレンジ色のフィルター)、レンズフィルターのYA3くらいで確かめてみるのもよいでしょう。
このことについては10数年前から筑波大学の吉田あこ氏の研究テーマとしておこなわれています。
 
 

     
 

黄変化による障害の例(図D)

図D

 

水晶体の透過率

グラフ

 
     



次回は、加齢によるもう一つの現象「縮瞳化」についてご紹介します。

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●黒田尚美 プロフィール●
 

福岡市在住。
1990年、『K's Color Planning』を創設。
建物の内装外観、商品企画、店舗・企業の販売促進イベントなどの色彩 戦略に関するコンサルテーションを行う。
表現学校エコール・ド・メチエ福岡校(ケイズ・カラープランニング内)の企画、運営を行い、講師もつとめる。
色を効果的に活用した住みやすい環境づくりを推進するなど、色の持つ不思議な力を深く追求している。

 
 


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